片岡仁左衛門

かたおかにざえもん

1944年3月14日生まれ。十三代目片岡仁左衛門の三男。屋号は松嶋屋。定紋は七ツ割丸に二引。
1949年 大阪・中座『夏祭浪花鑑』の市松で本名の片岡孝夫で初舞台。
父の旗揚げした〈仁左衛門歌舞伎〉で演じた『女殺油地獄』の与兵衛が出世芸となる。
1993年に1年間病気休演したが大病を克服し、1994年1月に舞台復帰。1998年1・2月歌舞伎座『吉田屋』の伊左衛門、『助六曲輪初花桜』の助六ほかで十五代目片岡仁左衛門を襲名。
2006年 紫綬褒章受賞。
2015年 重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。
2018年 文化功労者受賞。

現代を代表する立役で、風姿・口跡・演技力の三拍子を備えた俳優である。京都生まれで上方狂言が得意なのは当然として、江戸狂言の『助六』『勧進帳』や南北劇でも優れた演技を見せている。立役、捌き役では持ち前の爽やかな芸風が映えるし、敵役では凄みと悪の色気が漂う。本領の上方和事の役では男ぶりの良さと、柔らかみで観客を魅了する。