桂盛仁

かつらもりひと

1994年、東京生まれ。たばこ用具や着物の帯留金具など明治〜昭和期にかけて装身具では大変人気のあった柳川派の流れを組む金工作家。
師である父・桂盛行の仕事に小学生の頃から触れ、10歳頃から手伝いを始める。都立工芸高校の金属工芸科に入学し、彫金・鍛金・鋳金の基礎を学び、武蔵野美術短期大学を卒業。1971年に金工作家としてデビューし、日本伝統工芸展に初出品・初入選を果たす。制作スタイルとして平象嵌、高肉彫、打ち出しといった技術を得意とし、宮内庁買い上げや文化庁長官賞を受賞するなどその「超絶技巧」は高い評価を得ている。
卓越した観察力とデザイン力でこれまでに扱われる事の少なかった動物や昆虫をモチーフとし、帯留金具や香合、香爐、花瓶など様々な用途の作品を創作している。
雅号は夢山人。日本工芸会正会員・参与、日本伝統工芸展審査員、日本金工展審査員。
2008年 重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝)に認定。
2012年 人間国宝認定記念個展「人間国宝-桂盛仁 彫金の世界」を日本橋三越本店で開催。
2018年 地元の練馬区立美術館にて「人間国宝・桂盛仁 金工の世界-江戸彫金の技」を開催。
現在、公益社団法人日本工芸会 正会員・参与、日本伝統工芸展審査員、日本金工展審査員を務めるほか、都立工芸高校や金沢美術工芸大学、東北芸術工科大学などで教壇に立ち、金工の技術伝承に取り組んでいる。