井上八千代

いのうえやちよ

1956年 能楽シテ方観世流の片山幽雪(九世片山九郎右衛門)を父に、京都に生まれる。祖母は四世井上八千代の片山愛子。
2歳のときから舞いの稽古を始め、14歳で名取りになった。20歳で祇園の舞踊教師になり、1999年 日本芸術院賞受賞。 2000年に五世井上八千代を襲名した。
先代からは名跡を継ぐ10年前から継いでくれるようにいわれていたのだが、2000年に先代が95歳になり、どうしても継いでくれと言ったのを受けて五世を引き嗣ぐことになった。
井上流は三世八千代以来、祇園町とのつながりが深く、春の「都をどり」の指導も毎年自ら行っている。その舞の基本姿勢は「腰を落とす」と「かかとを上げる」。言葉も発しないので、観客のイメージに訴えることが大きい。
2015年 京舞の重要無形文化財各個指定の認定を受け、三代にわたっての人間国宝となった。