京町家特別貸切にて祇園祭を愉しみました

コンチキチン〜♪ 祇園囃子の鉦の音に胸が踊る祇園祭。七月の京都は千百余年の伝統を有するこの祭事一色に染まります。

昨年一昨年と新型コロナウイルスの影響で中止となった祇園祭のハイライト・山鉾巡行が3年ぶりに復活するということで、和塾ではその山鉾巡行の前夜、鉾に提灯の灯りがともる「宵山」の日に、特別な会場で贅沢に愉しむ集いをご用意いたしました。

その会場とは山鉾巡行で真松を掲げる「北観音山」を支える鉾町に佇む「吉田家」。かつて白生地問屋であった築100年余の貴重な建物で、典型的な京町家の造りを今に残す有形文化財です。

宵山の時期には、吉田家に代々伝わる屏風や調度品も公開され、ハレの日らしい豪華な室礼から京都の町衆の暮らしぶりを垣間見ることができました。

吉田家当主の吉田孝次郎さん自らが、秘蔵の家宝をご案内くださいました。吉田さんは、11歳から囃子方となり、祇園祭山鉾連合会理事も長年務められた、まさに祇園祭の生き字引といえる存在です。

夕餉は吉田家の2階客間にて、お囃子を聴きながら。
「北観音山」を支える吉田家にとって、祇園祭の宵山と巡行の日は1年のなかで一番重要な日。この大切な日に、ご当主の御厚意にて特別に許可をいただきました。

お料理は、吉田家の隣に店を構える日本初の板前割烹「浜作新本店」の三代目主人・森川裕之さんが腕を振るった伝統の京料理を。ノーベル文学賞作家・川端康成をはじめ、美食家で有名な向田邦子、喜劇王チャップリン、そして歌舞伎界の人間国宝中村吉右衛門など、各界の著名人も愛した逸品を堪能しました。

まさに、和塾でしか実現できない贅沢で貴重なひととき。この日だけの京の夏を、心ゆくまで、存分にお楽しみいただきました。