第百七十三回本科お稽古 江戸うちわ

日時:2017年8月8日(火) P.M.7:00開塾
場所:伊場仙本社ビルセミナールーム

本日の和塾本科は「団扇の絵付け」。

扇子と団扇の老舗・株式会社伊場仙本社にて
14代目の吉田社長よるレクチャーからスタート。

伊場仙さんは、なんと1590年創業。老舗中の老舗です。
もともと江戸幕府御用達のお店で
創業当初は和紙、竹製品、を扱い、
江戸後期よりうちわ浮世絵を始めたそうです。

初代(歌川)豊国、国芳、広重などの版元として「伊場屋」の名は江戸市中で有名に。

現在、その当時の「伊場仙版」の絵はボストン美術館はじめ世界中の名だたる美術館で見ることができるそうですよ。

社長はさらりとお話しされていましたが、すごい歴史の伊場仙さん。

では、早速絵付けに。

みなさん筆の使い方が素晴らしい。
日本画の絵の具(顔彩)を使用。
色ももちろんですが名前もきれい。
紅梅、青葉、黄土・・・

塾生の方のレベルの高さに驚きです。

この団扇、持ち手も骨も竹でできており、とても握りやすくて、風が気持ちいいです。
団扇一つでもこんなに違うんだなとと思いました。

後半は浮世絵のお話し。
伊場仙さんは浮世絵の版元でもありました。
版元というのは今でいうとコーディネーターに近い立場です。
依頼主から依頼を受けて、それに合った、絵師、彫師、刷師に仕事をお願いする。

また今のファッション雑誌と似た点があります。
まず国吉などの絵師は絵の輪郭を描いてもらいます。
そこに版元がはやりの着物を着せる。
着物屋さんが「来年はこういうのを売りたいから、こういう柄でお願いします」
のように広告料をもらっていたため、安く団扇を売ることができたそうですよ。

ほかにも遊女とのスキャンダルうちはなど、週刊誌的浮世絵団扇も!

吉田先生、ありがとうございました!