人間国宝より貴重な六人、太鼓持ちの総揚げ

人間国宝より貴重な六人、太鼓持ちの総揚げ

幇間、またの名を太鼓持ち。江戸の頃から、花柳界のお座敷遊びには欠かせない男芸者とも称される存在だったのですが、日本の伝統文化のご多分に漏れず絶滅寸前となり、今ではわずか六人だけ。東都浅草の地で細々とその芸をつないでいるのですが、出会えるチャンスはほとんどありません。一億数千万の日本人の中でたったの六人ですから、その存在の貴重さと行ったら・・・。

しかも六人全員を一つ所に集めて。絶滅危惧だとか天然記念物などと申しますと、いささかカタイ印象もありますが、心配は無用。太鼓持ちといえばお客さまを気持ちよくさせるのがそのもっとも大切なお仕事ですから、宴はまさに笑いに満ちあふれた時間となりました。

 

幇間の名前の由来は酒間幇助、つまり彼らはお酒の席のお助けマンです。そんな人材が六人も揃う宴席が、楽しくないわけがない。幇間衆の本拠地、浅草の名料亭「都鳥」の大広間を貸切にして、当地浅草見番所属の幇間を総揚げに、名料亭の旨飯旨酒とともに、幇間芸の数々を心ゆくまでご堪能いただきました。

花街に伝わるお座敷遊びもたっぷりと。六人それぞれの持ち芸は、一見の価値あり。一人だけでも貴重な幇間が六人全員揃うお座敷をご体験いただきました。