伝統儀礼〜結婚式〜 國學院大學 副学長 石井研士様をお招きして

「スマ婚」に「シンプルウェディング」。現在日本の流行しつつある結婚式のスタイル。

これらは実は「原点回帰」の風潮であった!?

國學院大學副学長 石井研士様をお招きした「ジューン(6月)」に「ブライド」の本科お稽古。

結婚式に関わる‘常識’がくつがえる貴重なお話でございました。

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和塾本科6月のお稽古「婚姻儀礼 結婚式」

日時:平成27年6月10日(水)19時〜21時

会場:国際文化会館セミナールーム

講師:國學院大學副学長 石井研士

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現在の日本では、「家族の多様化」が認められ、晩婚化、未婚化、少子化がますます進んでいます。そんな中、何かと手間とお金がかかる「結婚式」についても考え方が変わってきているようです。しかし、その簡略化していく結婚式はむしろ江戸時代に成熟していった当初の儀礼に回帰していると言えるそうです。

ご存知の方もいるかもしれませんが、誰もが当たり前に思っている「婚約指輪」、「披露宴」、「ご祝儀」などはたかが50〜60年前に団塊の世代によって作られた最近の習慣なのです。そもそも平安時代の「小右記」(藤原道長の日記)などには結婚式に相当する儀式の記述はなく平安時代には「結婚式」としては存在しなかったという推測がされます。

ではいつから婚姻儀礼は確立されたのか?

それはやはり様々な文化が成熟していった17世紀の江戸時代です。庶民の服装が麻から木綿へと移行し、食事の回数が2回から3回へと変わっていった時期に結婚式についても「マニュアル」が整っていったそうです。とはいっても、男女の出会い方から今とは大きく異なっていました。まず縁談の話は仲介人を通して両家の親同士で進められ、当人達はその相手を特定の場所でちらっと認識する程度。その後は「結納」として「婚礼の儀」(三・三・九度、お色直し、床入り)と流れていきます。当時、女性の縁談は15歳から19歳の間が大半。相手の家としては、その貴重な「労働力」の対価を支払う儀式として結納が必ず行われました。「婚礼の儀」が行われるのは日没後。これは、当時日没と共に1日が終わり、新たな1日が始まるという概念から「新しい事をするのにいい時間」という縁起を担いでいたと言われています。

ちなみに「黄昏時」という言葉はこの神聖な1日の境の時間を表す言葉です。

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現代の人がどのような目的、意識で団塊の世代が壊して作った新しい習慣を削ぎ落としていっているか。その真意は経済的、年齢的な理由が大きいかもしれませんが、結果として「伝統的な部分」だけが残っていくのであれば、悪い気はしませんでした。

人口減少、年金問題など深刻なことは置いて、時代とともに形を変えていく婚姻儀礼。本人同士の気が引き締まるはもちろん、両家が繋がりを認識し、世間に示す「新たな門出」を祝う儀式としては残していってもらいたいものです。

石井先生、為になるお話し、ありがとうございました。

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