第一回「大人の人形劇ー人形浄瑠璃文楽入門」葛西聖司先生

日時:2012年9月15日(火)14:00開塾
会場:セルリアンタワー 数寄屋 金田中
講師: アナウンサー・古典芸能解説者

今回から始まる和塾の新クラス「に組」。
和塾のいままでのお稽古の中でも、面白く、かつ本格的な、人気のお稽古をよりすぐった和塾の特別クラス。第一回目は、「大人の人形劇ー人形浄瑠璃入門」と題し、アナウンサーであり、古典芸能解説者の葛西聖司さんにお越し頂きました。

Text by: Morishita

元・NHKのエグゼクティブアナウンサーであり、伝統芸能に関する多くの著書を執筆・そして全国各地でご講演をなさっている葛西先生。

彼がまず今回の講座で強調なさったことは、文楽は娯楽であり、難しく考えず、ぼーっと楽しむことが大切だということです。寝てしまってもいいし、つまらないという感想を持ってもいい。まずは音楽劇として気楽に目で、そして身体で感じなさいとおっしゃいました。私だと「文楽は世界に誇る文化遺産なのだから、日本人が知らないとは恥ずかしい」などと言いそうですが、葛西先生はそうではない。しかも、このシーンが良いんだ、僕はここが好きだと、実に楽しそうな幸せそうな表情でおっしゃるのですね。だからみんな惹きこまれるし、私も見に行きたい!と自然と思わせてしまう。その語りの上手さに唸らされました。

最初に文楽の由来、編成、劇場の構造などを説明し、続いて大夫、三味線、人形についての概略を、テキストを使って簡単にお話されました。印象に残っているのは、劇場のすべての席が特等席であること。確かに通常ならできるだけ前のセンター席が良しとされていますが、前の席は舞台全体を見渡せませんし、大夫と三味線も視界に入らない。人形の繊細な動きを間近で見たい人、義太夫が好きな人、全体を俯瞰したい人、それぞれの好みに合った特等席があるのです。また、浄瑠璃姫の名前にちなんで、語り物を「浄瑠璃」と呼ぶようになったとか、髪がぱらっとしているところを「しけ」というとか、或る程度の知識がある私でもいろいろ勉強になりました。

特に、9月文楽公演夜の部の演目である「傾城阿波の鳴門」と「冥途の飛脚」の解説は興味深かったです。昔は誰でも知っていたというお里の名セリフ「ととさんの名は~」。そしてその後に起こる悲劇、「知ってて別れるお母さん、知らずに殺すお父さん」。そして「冥途の飛脚」の格調高い冒頭の七五調の語り。それぞれの言葉にどんな意味があるか、詳しく説明してくださいました。おかげさまで後日、実際に観劇した時に、「これがあの義太夫か」「ああっ、羽織が脱げた!」などと楽しむことができました。

これを機会に、文楽ファンが増えてくれると嬉しいです。そしてぜひ葛西先生の続きの講義が聴きたい!

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