ー葛西特別講座~大老ー葛西聖司先生 観劇・鑑賞会

ゲスト:
日時:2008年10月17日(金) P.M.3:00開塾
場所: 会議室 大劇場

葛西さんの特別講座は、国立劇場に隣接した別棟にある大きな会議室集合。公演の1時間半前、午後3時に始まりました。公開講座に人気の吉右衛門登場ということで、聴講生は100名以上の大盛況。大半が年上の女性の中に、かなり浮いた状態で和塾塾生が並んでいました。冒頭、葛西さんから我ら和塾の紹介をいただきました。


講座はまず、葛西さんの名調子で始まった。今回の公演「大老」は、北條秀司の原作で初演は昭和45年(1970年)。二部構成・二十場、正味4時間半の超大作だったとか。劇中の登場人物総数が500人、130名余の俳優が複数の役を担当して演じた。稽古を実施するだけでもたいへんな騒ぎだったとか。もちろん、今回の公演はその凝縮版。正味4時間半もの歌舞伎を上演することなど、今時は無理な相談ですので。

物語は幕末動乱を生きた井伊直弼を核に、これと対立する水戸藩士や、開国を迫る米国人たち、直弼の正室・側室などが交錯する歴史劇。初演当時の世相とも重なり時代を画する話題作だった。(昭和44年には全共闘による東大安田講堂占拠事件や新宿の反戦フォーク集会などで学生と機動隊が激突。翌45年にはよど号ハイジャック事件が起きた。一方で、大阪万博が開催され延べ6400万人を越える入場者数を記録。初演公演中には市ヶ谷の自衛隊で三島由紀夫が割腹自殺を遂げている。)直弼を主役とする幕府と若き水戸浪士の対立を、当時の政府・公権力と学生運動になぞらえた人も多かったのだ。反体制の浪士ではなく、体制側の直弼を主体としたところが、現代歌舞伎の限界?と言えば言えるのかもしれませんが・・・。

葛西さんの名調子、30分ほど経過したところで中村吉右衛門丈が会議室に入ってきました。なんか、色気があります。語り口はごく穏やか。静かな存在感。

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劇中直弼が茶を入れるシーンがあるのですが、吉右衛門さん「お茶は入れたことがない」。で、表千家から先生を呼び教えを請うた。が、劇中なのでお茶を入れながらの台詞がたっぷりある。茶を本式・本格的に入れていたのでは台詞がおぼつかないので、正式な作法からは随分違う簡易版でいってます、とのこと。ついでの情報ですが、吉右衛門さんは柔道・剣道も未修行なんですと。鬼の平蔵、もの凄く強いんですがね。(歌舞伎役者なのに茶道・剣道ともに極めておらぬ。それ、どうなんですか? ちょっと微妙な感覚に包まれたブログ子でした。個人的な感想ですが・・)

講座修了後、大劇場での「大老」を堪能。葛西さんの解説と主役・吉右衛門さんのお話しを聞いた後での鑑賞は、いつになく興味深い。特に前半部は科白が中心の動きの少ない演出でしたので、講座がなければ睡魔に完敗しかねないものでしたが、しっかり観劇できました。葛西先生に改めて感謝、です。ありがとうございました。

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