四世望月朴清追慕「囃子演奏会」本番その2 課外活動

囃子演奏会レポート・その2
レポート・その1

Text by kuroinu
開演1時間ほど前に会場入りした塾生に与えられた最初の指示は、舞台での位置合わせ。実際の演奏者すべてが顔を揃え、本番の舞台上での並び順や座り位置を確認します。初めて立つ舞台。毛氈の上に座る。開場前ですから、もちろん客席は無人ですが、ちょっと気が引き締まります。

本番前 舞台に上がって位置の確認中

本番前に舞台上にでるのはこの1回切りです。前列の真ん中に太三郎先生が座ります。美恵先生が塾生の動きを厳しい目で見ている。自分の座り位置をしっかり確認する。前方に広がる無人の客席に威圧感がありましたね。

総員が並び順と座り位置を頭に入れ、楽屋へと戻りました。
舞台を確認して少し心が落ち着いた塾生。けれど、問題がひとつありました。この舞台確認、所用で席を外していた塾生1名が参加していなかったのです。つまり、この座り位置の確認は1名少ない状態で行われていた。言うまでもなく、位置合わせの意味がないです。
自分のことで手一杯で、総員が揃っているかどうかを気にするものなどひとりもいなかった、ということでしょうな。初めて舞台に上がって、文字通り舞い上がっていた男衆。遠足でバスに乗る時、番号を叫んで人数を確認する。小学生の話ですが、あの行為の意味を今はっきりと把握できた気がします。

ところで、本番当日はいわゆる音合わせのようなものないんですね。これは通し稽古として前日に行われた。その様子も以下にご報告しておきます。

竹葉亭での前日下ざらえ

場所は銀座の竹葉亭本店。勤め人の塾生にご配慮いただき、お昼休みのスタートでした。それまでのお稽古は、美恵先生のお稽古場でテープを音源に実施したので、生の演奏に合わせて鼓を打つのはこれが初めて。三味線、長唄、大革、太鼓、笛。プロに囲まれての最初で最後のお稽古です。通し稽古は、本番のプログラム通りの総ざらえですから、演奏はもちろん1回だけ。関係者諸氏がずらりと見守る中、たった1回の雛鶴三番叟。現状把握に至る前に終了でしたな。

竹葉亭に集まった囃子方のみなさま

お稽古後はもちろん、竹葉亭の鯛茶漬け。旨かったです。

で、話しは浜離宮朝日ホールへ戻ります。
塾生の演奏の前に、最後の番組(プログラム)について少し。
道成寺物語〜望月朴清鼓のひびき、と題された演目は、望月美恵先生の構成によるもの。総勢30名の大編成によるこの演奏会最大の演目です。

中央鼓を構えているのが美恵先生 本当にお世話になりました。

この番組、始めに、生前に録音された朴清の鼓の音が会場に響く構成。静まりかえった会場に、少しくぐもった鼓の演奏が流れました。
四世朴清、不世出の囃子方だったのですね。常のことですが、和塾の塾生はそのあたりの重さがいまひとつわかっていない。門外漢。だからこそ、古典芸能の世界から縁遠いからこそ、できることも多いと思うのですが・・・。「四世朴清追慕」と題された演奏会に出演するというのに、その朴清先生の鼓の音をこの時初めて耳にした塾生も多かった。その響きを生で体感してみたかった、と思います。

さて、では問題の塾生による「雛鶴三番叟」。動画も含めたレポートは、ご報告3本目につづきます。

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