師走の京都のプラチナ席。12月の京都の歌舞伎興行には「花街の芸舞妓総見」の日があります。この日は、京都の花柳界の綺麗どころが揃って歌舞伎を鑑賞します。両桟敷席に着飾った芸舞妓がずらりと並ぶこの日の歌舞伎鑑賞は、日本の素敵がダブルで楽しめる貴重な機会です。けれど、だからこそ、その日のチケットは、贔屓衆が独占するためほとんど入手できない正真正銘の「プラチナチケット」。和塾では、その日のお席をお客さまのために特別ルートで確保しています。

ことに、2018年は、永らく休館していた南座が新開場する記念の機会。新装なった劇場で、吉例顔見世興行・東西合同大歌舞伎を芸舞妓総見と合わせてお楽しみいただきました。
昼の部の幕開けは、「菅原伝授手習鑑」。芝翫の松王丸に扇雀の戸浪で。「鳥辺山心中」は、梅玉の半九郎、孝太郎の遊女お染、坂田源三郎は和塾でもお馴染みの右團次。森鴎外の短篇を昭和の劇作家・宇野信夫が戯曲化した「ぢいさんばあさん」は、仁左衛門・愛之助・時蔵。最後は「恋飛脚大和往来」。亀屋忠兵衛を人間国宝の藤十郎がつとめ、父孫右衛門を鴈治郎が演じる親子競演で。東西の名優が華を咲かせる素敵な舞台でありました。


桃山風破風造の威容が目を引く京都四條「南座」では、毎年11月25日前後の吉日に翌月の顔見世興行に出演する役者の名前を書いた「まねき」看板が劇場正面に上がります。江戸の頃、歌舞伎役者の契約は年俸制で、旧暦11月から翌年10月までの一年契約。そのため毎年11月初めに各座の新たな顔触れが舞台で口上を述べることを「顔見世」と称しました。これが現在の顔見世興行の始まりで「歌舞伎正月」の異名もあるのです。

京都五花街の芸舞妓が花街ごとにうち揃って南座の顔見世歌舞伎を鑑賞するのが「花街総見」です。
総見は歌舞伎界とゆかりが深い花街の師走の恒例行事で、芸舞妓が踊りや舞、三味線や囃子などの芸事を勉強する機会にもなっています。この時、舞妓が髷に挿すのが「まねきの簪(かんざし)」。南座正面に掲げられる本物の「まねき」同様に歌舞伎役者の名前が書かれた簪。総見の際、贔屓の役者の楽屋を訪ね無地の「まねき」に役者から直接名前を書き入れてもらったものです。役者の名前は立役が黒、女方は赤で書かれています。12月にはこの簪を挿すのが京の花街の慣わしです。

南座での観劇を終えたお客さまは、師走の祇園町を散策しながら、御茶屋「枡梅」へ。お座敷には、総見を終えた芸舞妓も座につき、共に旨酒・旨飯を楽しみました。もちろん、芸舞妓の唄と舞も華を添え、まさに師走の京都の特別席。

京都にある五つの花街の中で 伝統も格式もその規模からも、まさに最高峰といわれるのが「祇園甲部」。 この最高峰の花街を代表するお茶屋の一つが「桝梅」です。祇園の中心・花見小路の近くにありながら表門から路地に一歩足を踏み入れれば一気に喧騒から離れた風情ある静けさに包まれる。お茶屋とは芸妓や舞妓を呼んでお座敷遊びを楽しむところ。 基本的に一見さんはお断りで馴染みのお客さんの紹介がなくては入ることができないのが原則となります。「桝梅」は舞妓や芸妓が暮らし働く「置屋」とお客が遊ぶ「お茶屋」の両面を兼ね備え日本の伝統の一つである花街のお座敷文化を絶やさぬように守り育てています。

和塾でなければできない素敵満載の「最高峰の和文化体験」でありました。



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