和塾によるユニークな和文化講座をひとつご紹介しましょう。
講師がすべて「外国人」という日本文化の連続講座がそれ。今回全四回で実施しました。

具体例をご紹介する前に、和塾による日本文化講座(企業団体向けに企画制作)への思いを以下に記しましょう。
******************************
2020年のオリンピック開催を控え、企業・個人には、さらに高度な「真の意味での国際性」が求められています。こうした動きは、48年前の東京五輪での日本とはまったく異なるもの。飛躍的に進んだ企業と個人のグローバル化と、その結果、かえって注目を集めるローカルな価値。その重要性への気づきと具体的な行動なくして、厳しい競合市場で生き残ることは、とても難しくなっています。
ところが、多くの企業や個人が、国際性を身につけると称して、ツールでしかない英会話力や、かえって競争力を減じかねない欧米の文物を膨大な時間と予算を投じて学ぼうとしています。英会話が堪能でも、語るモノがなければ意味がない。日本人がどんなに欧米のアートやカルチャーに精通していても、それは所詮、二流・二番煎じの存在でしかない。
フランス料理やワインのマナーには詳しいが和食や日本酒の作法には疎い。海外のアーティストは知っているが、日本の芸術家のことは何も語れない。ハリウッドの映画やディズニーランドには出かけるが、歌舞伎や文楽は観たことがない・・・。そうした日本人は、世界基準での「国際人」ではありません。
今、求められているのは、企業や個人が、流動転変するマーケットの中に揺るぎない確かな地位を確立すること。そのために、取り組むべき課題として、「」へのアプローチが大きな注目を集めているのです。
******************************

さて、その具体例。今回は「外国人に学ぶ日本の美意識講座」と題した勉強会です。
講師はもちろん、すべて外国人。異国人による日本理解は、グローバルな立ち位置での自国把握に最適。また、ほとんど知識のない現代日本人にとって、外国人による解説は、日本人の専門家講師による解説より、頭にすっと入るわかりやすさを持っているものです。

第一講は「茶の湯」がテーマ。
ランディー・チャネルさんを講師にお迎えしました。チャネルさんは、カナダ出身の茶道家。裏千家教授の資格を持ち、京都在住歴も20年余り。茶道の文化をより多くの人に伝えるため、茶道教室のほかメディア出演や自ら町家を改装したカフェのプロデュースなど多彩な活動を行っています。

ランディー・チャネルさん


都内某所の茶室ではじまった講座は、チャネルさんによるちょっと型破りな茶の湯の体験会。肩肘張らない茶席体験は、何かと堅苦しくてかえって敬遠する人を増やしているとしか思えない昨今の茶道のあり方にも一石を投じる素敵なひとときでした。はじめてなのに、自分で御抹茶を点ててみる実技まで。何もかも型破りではありましたが、茶の湯の思想と精神は、しっかりと持ち帰ることのできる貴重な機会になりました。







第二講は「狂言」がテーマ。
オンジェイ・ヒーブルさんお迎えして能楽堂にて開催しました。ヒーブルさんは、チェコ人の狂言師。1996年に国立カレル大学日本語学科に入学。2002年に同志社大学大学院国文学科に入学と同時に茂山七五三氏に師事。チェコ共和国の劇団「なごみ狂言会チェコ」の創立メンバーの一人で,現代表を務めています。現在も,京都の大蔵流狂言師,茂山七五三に師事し狂言役者として修業を積むかたわら,ヨーロッパ各地で狂言公演を開催しています。

オンジェイ・ヒーブルさん


都心の能楽堂に集って学んだ狂言は、これまたユニークな日本芸能講座になりました。西洋の舞台芸術にはない、オーディエンスとのインタラクティブな関係性や、劇的にしないからこそ普遍性をもつ物語の構成など、日本人自身が理解していない日本の演劇の素晴らしさをとっぷりと学ぶことができる機会。舞台での振る舞いや発声などの実技も含めて、深くて広い日本の美意識にふれる講座でしたよ。







第三講は「囲碁」がテーマ。
マイケル・レドモンドさんを講師にお迎えしました。レドモンドさんは、日本・アメリカの囲碁棋士。アメリカ・カリフォルニア州出身、日本棋院、アメリカ囲碁協会所属、大枝雄介九段門下、九段。数少ないアメリカ出身のプロ棋士で、欧米人として初めて九段に昇段した実力者です。新人王戦準優勝など棋戦でも活躍。妻は中国囲棋協会の牛嫻嫻三段です。

マイケル・レドモンドさん


AIとの対戦で話題沸騰中の囲碁。でもその実際を知っている人は本当に少ないのが実情ですね。講座では、囲碁の歴史から紐解き、その現代性までを概観。後半は、基本のルールを学んで、参加者同士が対戦しました。最後のお楽しみは、講師であるマイケル・レドモンド九段との対局。グループに分かれて、総員が知恵を集めてプロ棋士に立ち向かったのですが・・・。右脳が勝負を決める、という囲碁の美意識を実感できる貴重な機会、堪能できました。







第四講は「日本画」がテーマ。
アラン・ウエストさんを工房に訪ねて開催しました。ウエストさんは、アメリカ出身の日本画家。カーネギーメロン大学芸術学部卒。東京藝術大学日本画科修士課程卒。大学在学中に日本画の技法と出会い画家としての活動を始め、スミソニアン美術館など世界各地で個展を開催。谷中に画廊兼アトリエを構え、屏風絵・掛軸などを手がけています。

アラン・ウエストさん


お寺に囲まれた小さな日本家屋を改装したアラン・ウェストさんの工房での日本画講座。天井画も含めたウエストさんの作品に囲まれたその空間は、日本人が忘れていた日本の美あふれるところ。日常の中にさまざまな美しさを組み込む日本人の感性は、もしかすると現代日本人が忘れてしまった世界的にもユニークな思想と文化なのかもしれません。日本には本当に美しい物がたくさんあるのにね、というウエストさんの言葉が、いつまでも参加者の心に残る素晴らしい講座でした。







和塾では、このような日本文化講座を企業団体向けに企画制作しています。
開催に向けてのご相談等は→inq@wajuku.jp までお気軽に。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です